2022年4月 6日 16:07
「予防法学」について
みなみ大通法律事務所 弁護士 加納 健二郎
この記事のカテゴリー [ 法律・業務関連 ]
こんにちは。
突然ですが、これまで法律を勉強して、実際の業務に携わり、世の中に発生する法律問題は「社会の病理現象」であると感じることがありました。
すなわち、世の中の(システムの)一部が病気になっている結果、生じてしまったのがいわゆる「法律問題」だということです。
そのとき、医学の分野では、例えば風邪の予防、腰痛の予防のように「予防医学」が発展しているのだから、法律の世界でも、社会の病理現象である法律問題を未然に防ぐ方法、「予防法学」はないのだろうかと思うようになりました。
そもそも、法律の世界にも、企業法務の一環として「予防法務」というものがあります。
例えば、企業が取引をする際に契約書を作成する際、弁護士が契約書の内容をチェックし、契約後にトラブルが生じないようにすること(いわゆる「リール・チェック」)も「予防法務」です。
しかし、世の中には様々な法律問題が存在しており、できることならば、企業法務のみならず、一般的な法律問題、例えば夫婦関係や一般的な取引関係にも、応用、発展できる方法を提案していくことはできないかと考えています。
そこで、最初の「予防法」として、「孤独の回避」を提案します。
方法論としては全くもって程遠い抽象的なお話ですが、私が民事事件、刑事事件を含めてこれまで携わった経験として、法律問題が生じてしまった共通の原因に「孤独」というものがあったと感じています。
「孤独」になると、これまで自分を抑えていたブレーキのようなものが外れて、規範(法律)という一線を越えてしまいやすくなるのではないかと思います。
困ったときは抱え込まず信頼のおける誰かに相談してもらい、「孤独」を回避することが、まずは法律問題の発生を予防する第一歩になると思っています。
相談することは勇気がいることでもあります。
しかし、法律問題に巻き込まれることより、勇気をもって相談する方がはるかにハードルは低いと思います。
なかなか人と会うことも憚れる時代ですが、ぜひとも誰かに相談できる環境が皆さんにあると幸いですし、私もその一助となれればと思います。
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